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【低温調理】やわらかな鹿肉のローストの簡単レシピ【ジビエ料理】

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鹿肉を美味しくいただくレシピを調べると "赤ワイン" や "バルサミコ酢" や各種特殊な調味料などを使用するこだわりのレシピが多く、ズボラな自分は「もっと簡単なレシピが知りたい!」と常日頃考えておりました。

 

今回はそんな簡単レシピを求める方へ向けて、低温調理初心者にもオススメな簡単で美味しいレシピをご紹介します。

 

先日鹿肉のもも肉でローストビーフならぬローストディアー。蝦夷鹿肉のローストを作りました。

 

レシピに合わせて反省を織り交ぜて解説していきます。

 

 

やわらかな鹿肉のローストの低温調理レシピ

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はじめに言ってしまいますが、とても美味しかったです。

このレシピが定番の味付けとなりました。

 

また、お肉が赤くても食べて良いのはキチンと温度管理された料理だけです。

食中毒や低温調理温度についてまだよくわからない方は、60度以下の料理は避けた方が良いので、しっかり火を通した料理をオススメしますので、この記事はご注意してお読みください。

 

材料

・鹿のモモ肉:約350g

・岩塩:総重量の0.85%

・胡椒(ブラックペッパー):小さじ1/2〜お好みで

・ポン酢:100cc

・オリーブオイルエクストラバージン:50cc

・ごま油:お好みで

※”ブラックペッパー+ホワイトペッパー=日本の胡椒” なのでお好みでOK

 

作り方

基本は材料全部袋に入れて、お湯で低温調理するだけの簡単レシピです。

 

①お肉のドリップをペーパーで拭き取る。

 

鹿もも肉の重さ

はじめにお肉の重さを計っておきましょう。このモモ肉は364.8gでした。

 

鹿のもも肉とピチッとシート

(ずいぶんシワシワなお肉だな……)

 

このお肉は精肉処理してから浸透圧脱水シート(オカモト株式会社のピチッとシート)を巻いたまま10日ほど冷蔵庫で放置されていた水分がかなり抜けたお肉です。

 

【次回改善点】ピチッとシートをつけ続けていたせいで生ハムみたいになってきてました。次は必要な分だけ脱水したらすぐに外そうと思います。

 

②耐熱ポリ袋にお肉と塩、胡椒、ポン酢、オリーブオイルを入れる。

空気が入らないように浸水法で封をしてください。

ポン酢でphを調整するので保水力がUPします。

 

ジップロックに入れた鹿肉


塩はお肉の重さの0.85%がよいとされております。

このお肉は364.8gでしたので約3.1gが理想的ということですね。

まあ量るのが面倒なので、実際にはザーッと目分量で0.9%くらい入れましたが。

 

③ 低温調理器でお肉の芯温が65度で30分以上の加熱を行います。

また、肉の厚みによりお肉の芯の温度が狙いの温度まで上がるのに別途時間が必要なのでご注意ください。

 

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※低温調理器にくっつかなように離して洗濯バサミで固定して調理します

 

63 ℃で 30 分間以上の加熱に加えてお肉の厚みが60mmと想定して、円柱状のお肉の芯の温度が想定温度に達するまで2時間30分。

合わせて合計3時間の低温調理となります。

 

しかし今回は実験的にもう少し低温で調理したいのですが、食品衛生法の規格基準では、

中心部の温度 を 63 ℃で 30 分間以上加熱するか、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌しなければならない

とあります。

 

63 ℃で 30 分間以上の加熱と同等以上の加熱殺菌として、菌の処理に芯温56℃で3時間45分加熱します。

加えてお肉の厚みが60mmと想定して、円柱状のお肉の芯の温度が想定温度に達するまで2時間30分。

合わせて合計6時間15分の低温調理予定となります。

※外出していたので予定外に3時間以上多く調理し、約9時間経過した頃に引き上げました。

 

低温調理温度の計算は低温調理界では昔から有名なホームシェフNickさんの”Theory is the best sauce.”などを参考にさせていただきました。

nick-theory.com

 

お肉はしっかりと水に浸かっている状態にして下さい。

 

浸水法

 

④調理が完了したらお肉の水分を拭き取り、表面をバーナーで炙ります。

メイラード反応で香ばしさをプラスします。

ある神経生理学者は、味覚とは「95%が嗅覚」で、残りの5%が味だとしている。それほどに、味覚に関する情報の大半は鼻から脳に入っているということだ。

味覚の95%は鼻で感じる──味覚を育てる「ピュイゼ理論」とは何か | カルチャー | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

という話もあり、炙ることで口に入れたときの風味が変わるので、味が全然異なります。

 

完成した鹿肉のロースト

 

バーナーで炙る様子

鹿肉の炙り

肉の焼けるいい香りが漂います。

 

まな板には注意してください。

 【次回改善点】ステンレストレーの上で炙ろう。

 

⑤スライスして盛り付ければ完成。

お好みの味付けでお召し上がりください。

オススメはちょっと良い塩と、風味づけのごま油が相性抜群でした。

つけダレのポン酢オイルに手を加えて食べても美味しいかもしれません。

 

鹿肉のローストカット

切るだけでわかる柔らかさ。 

 

鹿肉のロースト盛り付け

盛り付けたらごま油と岩塩を振りかけて完成です。

 

カットした時点でお肉の断面や肉汁が赤いことに気がつくと思います。

鉄分を含むミオグロビンというタンパク質は、熱を加えると約60℃から反応をはじめて、だんだんとグレー色に変化していきます。

今回のような60℃以下の低音調理したお肉では、ピンク色のお肉になったり、肉汁が赤くなるわけです。

(さらに酸素に触れるともっと赤くなっていきます。)

 

食後の皿とミオグロビン

とってもジューシーでこの厚さでも柔らかく、ごま油の風味と表面を炙った時の香ばしい香りがとても味わい深かったです。

また作ろうと思います。

 

参考文献・オススメ道具

名著「Cooking for Geeks」は低温調理だけでなく幅広い料理の知識が得られるので、料理好きにはオススメの一冊です。

 

道具

炙りに使ったガスバーナーの頭は、自宅のカセットコンロのガスに使えるタイプなのでひとつあるとオススメです。他メーカーのは専用のガス缶でしか使えないタイプもあるので逆に高くつくのでご注意ください。

 

ピチッとシートはドリップ処理に最適です。浸透圧で水分を抜くのに便利で、干物を作ったり生ハムを作ったりもできます。1箱は準備しておくとなにかと便利です。

 

ステンレスバットは、お肉を精肉する方はもっていると思いますが、魚の生臭さも取れたり何かと使う機会が多いので、各サイズ準備しておくと便利ですね。

 

鹿肉のシンタマは柔らかい部位なので、鹿肉のロースト以外でもステーキなど使い勝手がよく、好きな部位です。

 

安心のジップロックです。安く薄い袋で低温調理して、もし穴が開いたらお肉の味付けが台無しになります。ジップロックはまとめ買いすればそこまで高くないので、もっていると便利です。

 

低温調理器

低温調理器は初期型のANOVAを使っております。細かい温度設定が可能なので、炊飯器のように一家に1台はあって良いと思います。新型ANOVAは3万円くらい

 

3年前はANOVAしか売ってなかったのですが、最近は安い低温調理器も販売されておりますね。BONIQは日本で低温調理レシピが見つけやすい印象です。BONIQは2.2万円くらい

もっと安い低温調理器もありますが、あまり知らないメーカーの物を買ってすぐ壊れると悲しいので、有名どころを買うのが安全です。

 

 また、Twitterでは作った料理をたまにアップしておりますので、興味がある方はお気軽にフォローください。👇