「健康に長生きしたい!」
口に出さずとも全ての生物が本能的に願っている事だと思います。
ただ長く生きるよりも、元気に生きる健康寿命が大切なことは皆さんもご存知だと思います。
長く生きるほど体にガタがきて病気になりやすくなるのは生物として仕方のないことだと思います。
しかし、そんな常識を破るような、いつまでも元気で行動的なご長寿さんがいるというお話も時々耳にします。
そんなお話の中のひとつに、世界中から80歳以上の人口が多い地域を「ブルーゾーン」と名付けて、長生きの秘訣を調査した研究があります。
非常に興味深い話でしたので、今日は長生きの秘訣についてご紹介します。
世界中の80歳以上の人口が多い特異な地域を「ブルーゾーン」と呼びます。
その地域は下記の5つ
・サルデーニャ島(イタリア)
・イカリア島(ギリシャ)
・沖縄(日本)
・ニコジャ半島(コスタリカ)
・ロマリンダ(アメリカ)
この特異なご長寿エリアでは平均寿命が長く、心疾患や脳卒中、がん、痴呆といった現代病の発症率が極端に低いとのこと。
そして、世界の凄いご長寿さんたちは、ただ長く生きるのではなく、家族や友人と強い絆を持ってより活動的に人生を楽しんでいるというのです。
そんなブルーゾーンに生きる超ご長寿さん達の生活習慣の共通点こそが長生きの秘訣に他なりません。
実は人間の遺伝子に依存する長寿の要因は25%で、残りは生活習慣によるもの。
つまり生活習慣を改善すればかなりの確率で長生きできるという事です。
ナショナルジオグラフィックの記者であり探検家でもあるダン・ビュイトナーさんの書籍
"ブルーゾーン 世界の100歳人(センテナリアン)に学ぶ 健康と長寿のルール"
では、ブルーゾーンの共通項から長生きの秘訣をピックアップしており、非常に参考になります。
※過去に調べたら転売されてて高かった話↑
▼長生きの習慣9選はこちら
ルール1.適度な運動を続ける
ルール2.腹八分で摂取カロリーを抑える
ルール3.植物性食品を食べる
ルール4.適度に赤ワインを飲む
ルール5.はっきりした目的意識をもつ
ルール6.人生をスローダウンする
ルール7.信仰心を持つ
ルール8.家族を最優先にする
ルール9.人とつながる
これらは観測されたひとつの側面に過ぎませんが、どこかに人を長生きにさせる要因が含まれていることは確かだと思います。
こちらを順に解説していきます。
適度な運動を続ける
適切な運動を習慣化するには
・身の回りを不便にする
・毎日を活動的に楽しむ
・仲間と一緒に散歩する
ブルーゾーンの方々はジムには行かずエクササイズもしませんが、日々行動的な生活を送っております。
活動の基本はどこに行くにも徒歩で出かけること。
1日平均で8〜10キロは歩くらしいです。
とにかくNEAT(日常生活の活動量)のレベルが高いわけですね。
NEATとは、日常生活の活動量のことです。
毎日運動を続けるのが健康に良いのは体感的に分かると思いますが、いざ始めるとなかなか大変です。
日頃からエスカレーターではなく階段をつかう、車移動ではなく歩いて買い物に行くなど、日々の少しの運動を増やすことから始めると良いです。
目指すべきは、畑仕事などでバランスの良い運動を1日60分、週に5日が理想的ですね。
腹八分で摂取カロリーを抑える
腹八分目を習慣化するために
・食事を大きく見せる工夫をする&小さめの器を使う
・買い物では小さい方を選ぶ
・食事は早い時間にテーブルでゆっくりと食べる
彼らは基本的に少食です。
ニコジャ半島やサルディーニャ島にも食べ過ぎを戒める風習があるようで、暗い気分になったり疲れやすくなると考えられております。
実際にたくさん食べると体は消化にエネルギーを使います。
食べてから満腹中枢からシグナルが出るまでにタイムラグがあるため、腹八分でやめるとちょうどよく、消化器官に負荷がかからないのです。
食べ過ぎにならないためには、ゆっくりと食事に集中してマインドフルに食べると良いそうです。
ついついテレビを見ながら食べたり、スマホをイジりながら食べたりしてしまいますが、食べ過ぎにつながりますので注意が必要ですね。
睡眠時も消化にエネルギーを使ってしまうと睡眠の質が落ちるので、寝る前は注意が必要です。
理想は夕方は軽めに食べて、その日の食事は終わりにしましょう。
当然100歳を超えるご長寿さんたちは生涯を通して肥満になりません。
日常的にプチ断食をするように空腹感に従って淡々と食事をこなしているようです。
植物性食品を食べる
健康的な食生活をするために
・肉類は制限し、毎日4〜6種類の野菜を食べる
・くだもの・野菜を目立つ場所に置く
・毎日ナッツを食べる
100歳を越えるご長寿さんたちにベジタリアンはおりません。
しかし、基本的には野菜が中心の食生活を送っております。
なんとその量は先進国の3〜4倍!
地元で育った栄養満点の野菜が主食で、フルーツも食べます。穀物はサツマイモ、とうもろこしなど。
タンパク質は魚と卵がメインで、牛や豚は少なめで鉄分も少なめ。
豆腐や豆、ナッツ類も食べます。
毎日4〜6種類の野菜を食べるのが良いみたいですね。
食物繊維と抗酸化物質を豊富に摂取しております。
そして特に大切なのが加工食品が少ないことです。
先進国の食事と比べて精製糖や人工甘味料、保存料などの摂取量がかなり少ないんですね。
お菓子などはほとんど食べず、デザートはチーズかフルーツがメイン。
たまに少量のはちみつなど自然糖を食べるくらいです。
私たちがよく食べる小麦や砂糖を使った加工食品はほとんど食べません。
加工食品を食べずに野菜中心の食生活が1番健康に良さそうです。
適度に赤ワインを飲む
健康的な飲酒を習慣化するために
・上質の赤ワインを買う
・節度をもって、飲み過ぎは厳禁
ご存知の通りお酒は健康に良くないと言われておりますが、赤ワインは少し特殊です。
色々な研究で、適度に赤ワインを飲むと寿命が伸びることが分かっています。
健康メリットが確認されたのは1日2杯くらい。
このような健康効果はワインに含まれるポリフェノールによって心疾患やガンの発症率が下がるのが原因とされます。
ポリフェノールの健康効果は多く、寿命を延ばす以外に、抗酸化作用で若返ったり、脳も若返るので頭が良くなったり、腸内細菌の種類が増えて体が健康的になります。
しかし、ワインもお酒ですので、飲みすぎると全死亡率は上がります。
これはアルコールのデメリットですね。
アルコールを摂りすぎると腸内細菌は死んで、ガンの発症率が上がり、肝臓が疲弊して老けやすくなり、脳や体調に悪影響が出ます。
一部効果はポリフェノールのメリットとアルコールのデメリットが打ち消しあってる気もしますね。
また、日本人は遺伝的にアルコール代謝が低い人も多いので特に注意が必要ですね。
つまり、お酒を飲むなら赤ワインのほうがいいけれど、アルコールのある赤ワインより、ぶどうジュースやポリフェノールの多いフルーツを食べてる方が健康的だと言えますね。
赤ワインはお酒を飲むならまだマシなだけって印象ですね。
はっきりした目的意識をもつ
目的意識をはっきりさせるために
・自分の目標宣言を書く
・パートナーを見つける
・新しいことを学ぶ
ここでいう目的意識とは、生き甲斐の事です。
何かしらの目的意識があると常に頭を使うため、自分の意思決定に理由と必要性があるので行動量が増えます。
ただ何もしないでぼーっとしているとあっという間に時は過ぎ去り歳だけ重ねるように感じてしまいますが、ひとつ生き甲斐があると活動的になるので、人生が充実して健康的になるというわけです。
どのように行動すべきか明確な指針を持つためには、いっときの感情で考えるのではなく、バイアスを外した自分自身の価値観についてキチンと自己省察をしなければいけません。
また、新しいことに挑戦するのも大切です。
実は人の柔軟性や好奇心は加齢によってどんどん低下していきます。
それに甘んじることなく、常に新しいことに挑戦する意思を強く持つことで、脳はずっと若くいられます。
どんな小さな事でもいいので、クリエイティブなことや、新しい反応を必要とする仕事や趣味を持つ事で脳を認知症や萎縮から守ってくれます。
そして、"人生の目的"を持つ人ほど睡眠の質が高いということが研究で分かっています。
人生の目的が健康的なライフスタイルにつながり、結果として睡眠も改善されていくとのこと。
色々な要素がありますが、結局は明確な目的を持って行動することが健康に繋がるわけですね。
人生をスローダウンする
人生をスローダウンするために
・電子機器を使う時間を減らす
・目的地に早めに着くようにする
・瞑想する
人生をスローダウンするというのは、忙しない現代へのストレス対策が必要ということです。
現代人は日々ストレスに晒されています。
ストレスは2種あって、”急性ストレス” と ”慢性ストレス” があります。
急性ストレスは「車にぶつかる!」とか「カラスに襲われる!」みたいな一時的に交感神経が活発になって体が戦闘態勢に入るもの。
慢性ストレスは「上司が最悪で…」とか「腰痛が痛くて…」みたいな長期的なストレス。常に交感神経が活発なので、体に慢性的なダメージを与え続けます。
急性ストレスは、ある程度なら体に良い効果をもたらします。
プチ断食や、短時間のハードな運動、冷たいシャワーなどは、ミトコンドリアを働かせる効果を持っておりますので健康効果が期待できます。
逆に、慢性ストレスには注意が必要です。
慢性的なストレスが続くと、血糖値の上昇や、免疫力の低下、肥満、不眠、うつ病・不安症、心疾患など、数多くの体に悪い症状が出ます。
慢性的なストレスの原因は多岐にわたるため、なるべく多くのストレス対処法が必要となります。
現代人はまずデジタルデトックスがおすすめです。
食べながらスマホやテレビを見るなどマルチタスクな作業をやめて、メールやSNSのチェックを減らし、スマホの通知は切ることをお勧めします。
嫌いな人は極力避けたり、目的地には早めに着くようにしたり、1日10〜20分程度の瞑想したりと人生をスローダウンさせるとストレスが少なくなります。
信仰心を持つ
信仰心を持つために
・より深くかかわる
・新しい伝統や信仰心を探す
「信じるものは救われる」
などと言いますが、信心深い人の方が幸福度が高く長生きするという研究は昔から数多くあります。
何かを信じることは自分の価値基準の指針が出来ますし、ストレスが大幅に減ります。
考えが明確になると強い自信に繋がりますし、巨大な何かに畏敬の念を感じたり、感謝することで、免疫力が高まって寿命が伸びたり、幸福度が高くなり健康的で明るい人が多くなります。
また、価値観が同じ人のコミュニティに入ることは後述の「9.人とつながる」にあるように、親密な人間関係が長生きに大きく関わるということからもメリットが多いことがわかります。
ちなみに、なんらかの宗教に入らなくとも、信じる気持ちがあれば健康効果は得られるようです。
幸福度の研究でも、信仰心が厚い人は人生の満足度が高いのですが、科学などテクノロジーを信じる事でもさらに人生の満足度が高い結果となっておりました。
宗教や科学などを信じると、自己コントロール感が高まり不安対策になるので、健康的な効果があるという訳ですね。
家族を最優先にする
家族を最優先にするために
・家族の距離を近くする
・家族の儀式を作る
・家族を第一に
家族とはソーシャルネットワークの最たるもので、自分以外の他人の中で1番身近な存在です。
家族みんなでご飯をたべたり、目的を持って祝日を祝ったりと家族との距離を近くするだけで幸福感が高まり、ストレスも少なく健康的でいられます。
良い家族の関係性には"心理的柔軟性"があることが求められます。
心理的柔軟性とは、
・いい出来事や悪い出来事のどちらにもオープンで、その体験を避けずにマインドフルに受け入れられる。
・日常生活においても、現在に注意を払いながら暮らすことができる。
・困難な状況でも広い視野を保ち、日々の気分の変化を通してより深い価値観に触れ続け、困難や挫折の中でも目標に向かって進み続けることができる。
ということで、複数のスキルが必要な状態のようです。
心理的柔軟性が高い家庭は、家族間の結束力を増やし、ストレスや苦痛の総量減少につながります。
人とつながる
社会的なつながりを強化するために
・価値観を共有できる人をリストアップする
・人に好かれるようにする
・仲間と一緒の時間を作る
ブルーゾーンの著者ダン・ビュイトナーさんが言うには「おそらく人間関係こそが人生を良くするもっともパワフルな要素だ」とのこと。
ブルーゾーンの方々は小さなコミュニティで家族や友人と密接な関係性を築いており、自然に社会サポートのシステムができあがっております。
人は、社会的なつながりが多いほど長生きすると言われており、共通の趣味を持つなど、価値観を共有できる友人を作ることが長生きの重要な要素となります。
孤独な人が早死にするというのも有名な話で、孤独感が大きい人はメンタルだけでなく、タバコと同じくらい健康状態も悪化させ、肥満の死亡リスクと同じくらい死亡率を高めます。
また、孤独な人は認知症が多く、栄養状態が悪く、睡眠の質が下がることがわかっています。
友人が少ない人間には恐ろしい研究結果ですが、いずれも本当に問題なのは「孤独感」です。
あくまでも本人が孤独を抱いてるかどうかがポイントなので、友人が少なくても寂しさを感じていなければ問題はありません。
社会的な繋がりが長生きに繋がる理由の1つに、他者への親切があります。
人は原始時代から利他と共有で生きてきたため、親切や相互サポートによってストレスが低下することがわかっています。
他人への親切で幸福度が上がり、ストレスも低下するので健康的になるということです。
まとめ
これらの共通の習慣をまとめると、
①満腹にならないように腹八分目を心がけつつ
②野菜をたくさん食べて
③毎日少しずつ運動して
④家族や友人と仲良く過ごすことが
ご長寿さんたちの"健康的に長生きする方法"の共通点のようですね。
こうやってまとめるとシンプルで基本的な習慣ばかりですが、それがなかなか実践出来ていないってことの裏返しですね。
私も長生きしたいので、少しづつ習慣化していこうと思います。