鹿肉と鉄分
ハンターなら鹿肉をよく食べることがあると思いますが、一度にどのくらいの量を食べますでしょうか。
小さなエゾシカでも15kgくらいお肉が獲れますが、僕が一度に食べるのはたぶん200gほどです。
高タンパクでヘルシーな鹿肉は鉄分が豊富なことで有名ですが、鉄分の摂りすぎも体に悪いと聞いたことがあります。
今日はそんな鹿肉の鉄分の健康効果について調べてみました。
鹿肉は鉄分豊富!
鹿肉は鉄分が豊富で、100gあたり3.9mg! (豚肉は0.6mg、牛肉は2.0mg、猪肉は2.5mg)[1]
鉄分の1日の必要量は、ざっくり男性で7mg、女性6mgなので、鹿肉200gで必要な鉄分が摂取できます。[2]
鉄分が不足するとどうなるか
鉄分(ヘム鉄)は主にタンパク質(グロビン)と合体してヘモグロビンになり、酸素を運んでおります。
鉄分が不足すると鉄欠乏性貧血になって、免疫システムが壊れたり、疲れやすくなったり、頭が悪くなります。
鉄分は摂りすぎると老けるし病気になる。
しかし、実は鉄分の増えすぎもガンや心疾患リスクが高まるんです。[3]
女性に比べて男性が早死にするのも鉄分のせいでは?って話もあり[4]、過剰な鉄分がタンパク質と結びつきフェリチンという物質になって、フェリチンは酸化しやすいので細胞がダメージを受けて、結果老化の原因になるという仕組みではないか?と言われております[5]。
鹿肉は1日約1キロまで!
鉄分の1日の限界量は、ざっくり男性で50mg、女性40mgなので[1]、計算すると男性で鹿肉約1200g、女性で鹿肉約1000gまでということになりますね。
それ以上食べたら過剰摂取でガンや心疾患や老化の原因となりますので注意[3]。
もちろん栄養は部位によって異なりますし、それ以外の鉄分豊富な食材を食べているとNGなので、注意が必要です。
魚介類も鉄分豊富だったりします。
鉄分の摂りすぎ対策
美味しいお肉をたくさん食べたい方は、鉄分の吸収をブロックする食材を食べるのがおすすめです。
タマネギやソバに含まれるケルセチンというポリフェノールは鉄と結びついて体の外に出るそうです[6]。
飲み物のポリフェノールもかなり鉄分に有効で、緑茶の300mgのカテキンで27%ほど鉄分の吸収を減らす作用があるようです[7]。
逆に貧血気味の人は飲み過ぎに注意ですね。
結論
一度に鹿肉を1200g以上食べることはなかなか無いと思うので、とりあえず大丈夫そうですね。
もし鉄分豊富なレバーをたくさん食べても、一緒にポリフェノールを含む野菜を食べてお茶でも飲めば健康に影響はなさそう。
鹿肉は高タンパクで低脂肪な上にとても美味しいので安心して食べてください!
健康な人が無駄に鉄分のサプリを飲んでたら危ないですけどね。。
出典
[4]J L Sullivan (1981) Iron and the sex difference in heart disease risk
[6]Nathan R. Perron & Julia L. Brumaghim (2009) A Review of the Antioxidant Mechanisms of Polyphenol Compounds Related to Iron Binding | SpringerLink
[7]U Ullmann 1, J Haller, G C M Bakker, E J Brink, P Weber (2005) Epigallocatechin gallate (EGCG) (TEAVIGO) does not impair nonhaem-iron absorption in man