「面白い」と「楽しい」の違いって何だろう?
最近コロナ自粛で暇なので、SUZURIというオリジナルグッズを販売できるサイトで、面白いTシャツでも考えようと思い至りました。
面白いネタを考えるにあたって、「面白い」と「楽しい」の違いが気になりました。
どちらもプラスの意味を持つ明るい表現ですが、少し調べてみることにします。
面白いとは?
”面白い”とは、目の前が明るくなるくらい心が惹かれている様子のこと
※面→顔(の前)が、白→明るい
Weblio辞書によると以下のようになっております。
①楽しい。愉快だ。
②興味をそそる。興味深い。
③こっけいだ。おかしい。
④(多く、打ち消しの語を伴う)心にかなう。好ましい。望ましい。
⑤景色などが明るく広々とした感じで、気分がはればれとするようだ。明るく目が覚めるようだ。
⑥心をひかれる。趣が深い。風流だ。
早速①に「楽しい」が含まれておりますね。
「面白い」の一部に「楽しい」の一部が重なっているようです。
①以外の意味では、完全に「=楽しい」とはなりませんのでここが異なる部分でしょうか。
上記のようにたくさんの意味がありますが、「面白い」を英語にすると以下になります。
- ”人を愉快にさせる”という意味の「amusing」
- 知的な興味や関心を引くという意味の「interesting」
- 思わず笑ってしまう面白さを表す「funny」
※ もちろんこれ以外にもたくさん表現があります。
辞書の①②③と一致していますね。
楽しいとは?
面白いに対して、
”楽しい”とは、心が満ち足りていて愉快な気持ちのこと
Weblio辞書によると以下のようになっております。
①心が満ち足りて、うきうきするような明るく愉快な気分である。
②食物などが十分にあって快い。
③富んでいる。豊かである。
確かに、お笑いを見て「心がウキウキして明るい気持ち」の時は「楽しい」かつ「面白い」と言えます。
②と③の意味は、現代ではあまり使われていないと思われます。
よって、ほぼ「面白い」という意味で使われるようですね。
※例:野球が楽しい!=野球が面白い!
図にするとこんな感じ?
▼面白いと楽しいの比較イメージ
「楽しい」を英語にすると以下になります。
- 充実感、満足感のニュアンスも含めた「Enjoy」
- 嬉しさと幸せを含めた「Happy」
- 人に喜びを与える嬉しさを表す「pleasant」
※ もちろんこれ以外にもたくさん表現があります。
3つとも辞書の①の意味ですね。
また、”楽しい”を”嬉しい”と比較するとこのようになります
- 「嬉しい」は、外側から受けた出来事に対して喜ばしく思うこと(空が晴れて嬉しい)
- 「楽しい」は、自発的な感情で愉快だと思うこと(サッカーが楽しい)
- 「嬉しい」は、一時的に湧き上がる感情(お菓子をもらって嬉しいな)
- 「楽しい」は、継続する感情(夏休みは楽しかったな)
つまり「楽しい」は「自発的な感情」であり、「継続する感情」でもあることがわかります。
比較して考えた結果
産まれたての赤ちゃんの感情を想像すると、”笑顔で笑っている”時は、"楽しい感情" だということがわかります。
しかし、”面白い感情”というのは少しわかりにくいです。
「面白さを感じる」とは、言い換えると ”興味深い・滑稽で笑える” などの感情である気がします。
ということは、基礎知識になる”経験”と、知識と異なることを面白いと笑えるような”知性”が必要です。
「楽しい」とは、「面白い」という表現よりも感覚的であり、深く考えるよりも感情が先に動いているような直感的な感情。
「面白い」とは、「楽しい」に加えてより知的好奇心に溢れているような感情表現となります。
(漫画の中に出てくる頭の良さそうなキャラ演出で、「……面白い!」などのセリフは知性を表現しているのかな?)
結論:「楽しい」+「知性」=「面白い」
※個人的な感想です。
相手に「面白い!」と感じてもらう方法
「楽しい」も「面白い」も感情の揺れ動きなので、相手の脳が反応しております。
感情が動かずに何も感じない時は脳も反応しておりません。
ですので、相手に面白いと感じてもらうためには相手の脳を効率よく刺激させる必要があります。
脳の種類
面白さを感じる脳の場所は、下記画像のように大まかに分けて8つに分類できます。
※出典:脳の学校
初めて聞く情報に対しては「そんな情報もあったのか!」と記憶脳が面白さを感じます。
他には、 好きなスポーツをしているときは体の動きについて運動脳が反応し、
お笑い番組で笑った時は、トーク内容を聴覚脳が反応し、喜怒哀楽を感情脳で反応しているということです。
もちろん人によって興味のあることや人生経験と価値観が異なりますので、反応しやすい場所が異なります。
相手を理解し、ツボを上手に押さえることが、面白さへの近道となります。
つまり、相手に面白いと感じさせたい場合は、対象のペルソナを理解し効率的に脳を刺激させる必要があります。
面白さを感じる脳とは
”相手を知る”ことはひとまず横に置いておきまして、一度先程思いついた仮説を使います。
「楽しい」+「知性」=「面白い」
つまり
相手が理解できる楽しさを与えれば「面白い!」と思ってくれる!
ということです。
(当たり前のことを言ってますね)
"楽しい"とは、本能で言うところの"喜び"の感情です。
感情脳である "大脳辺縁系"は、喜び・悲しみ・不安・恐怖・怒りなど、本能的な感情を司ります。
しかし「面白さ」である「ユーモア」を感じるには脳の全てが関わっているとのことです。
その中で特に重要なのが物事を感情で評価する”扁桃体”です。
表現に何らかの不調和を感知し、それを解消した際、私たちはユーモアを理解することが示唆されている。これは「不調和解消理論」と呼ばれている。
メタ分析の結果によれば、脳の全てがユーモア処理に関与している。
そのうち扁桃体が不調和の解消において重要な役割を果たしている。
出典:ユーモア理解過程に関する研究 : 不調和の解消とその神経基盤
まとめると、"面白さ"は脳全体を使って感じるけれども、"楽しさ"の元となる本能的な感情(喜び)を作り出す"感情脳"が特に重要。
面白さを感じさせる具体的な方法
”面白い”の意味として辞書に載っている主な3つの内容について、具体的にどうすればよいかまとめました。
①楽しい。愉快だ。
→愉快とは楽しくて気持ちの良い様。何が気持ち良いかは人によって千差万別です。先程書いたようにペルソナを設定して、その人が何が好きで何を喜ぶのか想像し、相手を楽しませる事に集中しましょう。
→相手の趣味嗜好に上手にコミットさせる必要がありますが、多くの実践経験である程度パターンを学習することで対策が可能です。
②興味をそそる。興味深い。
→「知らないことを知りたい!」という知的好奇心を満たすことで達成されます。単に知らない情報を伝えるだけでなく、もっと知りたい!と思わせるような興味深いと感じる雑学などを付け足すのがオススメです。
→そのためには相手の知識を上回る学習が必要で、しっかりとした調査や、情報の取捨選択などわかりやすくまとめる力が重要です。
③こっけいだ。おかしい。
→お笑いの面白さは”緊張と緩和の法則”が有名です。自分の想像の予定調和とは異なる”オチ”が予想外であることで、一種の緊張が緩和された時に面白さを感じます。
あまりに予想外すぎるとシュールになってしまいます。
→「自分の予想と外れたギャップを笑う」と認識すると考えやすいです。
出典:「おもしろい」の法則
単に相手を笑わせたい場合は、①と③の感情を狙って多くの実践から相手の趣味や嗜好をパターン化して、予想の斜め上をいくオチを与える閃きに注力する必要があります。
(まとめると当たり前の答えになりましたね。)
さいごに
”面白いTシャツ” を考えようと思ってパソコンに向かったはずが、、、
気がつけば丸一日掛けてこの記事を書いておりました。
思考の沼にハマると恐ろしいですね。