日本では外国人の名前に「=」がついているのをよく見かけます。
Will Smith氏の名前を
"ウィル=スミス" として表記いる書籍もあれば、
"ウィル・スミス" と表示している場合があります。
なぜこのような表記をするのか、理由を解説します。
名前に"="をつける理由
結論から話しますと、基本的に「=」は日本でカタカナ表記の際に勝手に付けているものです。
名前にイコール記号を使うのは日本人だけで、外国人は使うことはありません。 日本在住の外国人が使うこともありますが、英語圏ではイコール表記は使わないのです。
その上で、「=」を用いた表記をする理由は3つあります。
1. 英語表記のハイフンの代わり
2. ファーストネームと名字を区別する目的
3. 名字が両親の婚姻によって複数になったものをつなげる目的
それぞれ詳しく解説していきます。
1. 英語表記のハイフンの代わり
ひとつ目の理由「英語表記のハイフンの代わり」とは、
たとえばフランス語の聖人 "St-Florens" を示すときに、 Saintの発音をそのまま残して「サン=フローレン」と表記します。
ハイフン「-」をそのまま使用するとカタカナの「ー(長音)」と紛らわしいため、"="で代用しているのです。
例)サン-フローレン が サンーフローレン に見える
そのため本来は、イコール「=」ではなく、 "ダブルハイフン" という記号を代用していたようです。
2. ファーストネームと名字を区別する目的
二つ目の理由は、最初に例にしたように、日本ではカタカナ表記の際にWill Smith氏の名前を "ウィル=スミス" として表記しています。
英語などのアルファベット系の言語の人名を日本語の中で記述する時は、普通はカタカナに置き換えているのです。
さて、英文を見るとわかりますが、This is a pen. を Thisisapen. と書くと読みにくいですよね。
名前も本来の言語では間にスペースを空けているのですが、日本語は単語が連続している言語のため、文字と文字にスペースがありません。
姓名の区切りが分かりにくいことがあるので、"スペース" を「・(中黒)」や「=(等号)」で分けているのです。
例)Will Smith を "ウィル=スミス" として表記
3. 名字が両親の婚姻によって複数になったものをつなげる目的
三つ目の理由は、複合姓の場合です。
国によっては結婚した相手の姓と自分の旧姓を同時に表記することがあります。
Maria Laura Wilhelm-Shureさんの場合、マリア・ローラ・ウィルヘルム=シューレと表記します。
"ウィルヘルム" と "シューレ" が両家の名字ですね。
マリアがファーストネーム、ローラがセカンドネームになります。
中黒が名前に使われ、イコールが名字の間に入る形で区別を容易にしています。
ハイフンは、夫婦別姓が可能で複合姓にしている人の苗字の表記方法ということです。
日本人の名前で例えると、"Taro Yamada-Tanaka" みたいな感じです。
また、ファーストネームが2つある人の場合、英語表記では2つの名前を
ハイフンでつなげますが、(日本人の名前で例えると、Takeshi-Kenta Yamadaといった感じです)
日本では、そのまま表記すると "Kenta" がミドルネームと間違われるか、あるいは「タケシー」と伸ばして発音してしまう可能性があるので、イコールで "Takeshi=Kenta Yamada" 表記することもあるようです。
おまけ
以上の理由から、日本では外国人の名前をカタカナ表記する際に "スペース" を "=" で表記しているということでした。
いろんな細かい理由があったんですね。
ちなみに、ジャンプで大人気の漫画、ハンターハンターのキャラクター名は全て=がついております。
ゴン=フリークス
キルア=ゾルディック
レオリオ=パラディナイト
ヒソカ=モロウ
ジン=フリークス
作中ではオリジナルの言語で表記されているのですが、それを日本語表記するとこうなりますという作者の細かいこだわりを感じました。